四国で惨敗を喫した先月。リベンジの機会が早くも巡ってきた。
さすがに出したい。オオクワを見たい。
しかも、仕事の都合でまた関西を離れることが確定しており、今回を入れてあと何度西日本のオオクワに挑めるかわからない。
Sさんが過去に採集された個体の画像をよく拝見させていただくのだが、マジで西日本のオオクワはかっこいい。もちろん東北や山梨もかっこいいのだが、中国、四国、近畿のオオクワはやばい。野外で見つけたら発狂する自信しかない。
そんな神々しさすら感じる西日本のオオクワに今日も挑む。
今回はフィールドを変え、関西某所。
同行者は四国2連勝のSさん、今回初同行のNくん。(いつものNとは別人)
朝から山に入り、途中から三人それぞれ分かれ思い思いの材をチェックしていく。
ここも採集者が多いのだろう、かなりの割痕があり、それなりの質量のもので無傷の材はほぼ無い。
倒木から幼虫を出すが、毎度お馴染みコクワ判定。二齢はマジでわからん。比較してみないとほんまにわからん…
シカ💩たくさん。
大量の割痕にうんざりしながら山を登っていく。
気づけばかなり上の方まで来ていた。
景色も良く、暫し休憩を入れる。他の2人もこれといった結果は出ていないようだ。
最近ハマっているこんにゃくゼリーを貪り食い、歩き始めたその時、一本の立ち枯れが目に入った。
割痕があるが、まだまだチェックできそう。
端っこの方を少し叩くと、一本の食痕が出た。
この標高でこの地域でこの材の位置でこの食痕は…?????
電光石火の如く頭の中を考えが巡る。しかし考えるより先に自分の手は食痕の少し外れたところに斧を入れていた。
ポコっ
へぁぇ?
↑ほんまにこんな声が出た。
脳は瞬時に状況を理解し、「それ」との出会いが幻ではないことを悟る。
次に大声で叫んだ。ここ数年で一番でかい声が出た。
動いた。
落ち着きを取り戻し、写真を数枚撮影。
ゆっくりと、ゆっくりとこの時間を吟味する。
誰にも邪魔されない自分だけの最高の時間。
周りの音や寒さなんかもう体が忘れてしまっていた。
言葉では言い表せない。
本当に涙が出た。
思わずため息がでた。
なんて神々しい、なんて素晴らしい虫だろうか。
決して大きくはない、しかしなんと存在感のある虫だろうか。
こりゃハマるわ、やべえわこんなん。
他の2人に報告し、合流後、まだ他の個体が居ないか探していく。
オスが出た材は3本食痕が走っていたが、めちゃくちゃに固い中心部に食い込んでいた。
2時間ほど試行錯誤し粘ったが、さすがに手斧では太刀打ちできなかった…
Sさんは倒木で大当たりを引き、とてつもない勢いで極太食痕を当てていく。
食痕の太さ、固さ半端ない。
自然薯みたいな太さでパンパンに詰まっていた。
教科書通りのオオクワ採集に夢心地だった。
これまでの敗北が嘘のようだ。
結果的にSさんは倒木から11頭のオオクワ幼虫を出し、自分も2頭出したがめちゃくちゃでかいコクワの幼虫だったwww
もう満足、こんないい思いできるなんて思いもしなかった。
Sさんはアカアシの成虫まで出されていた。アカアシもかっこよくて好きなのでこれも見れて嬉しかった。
Nくんも何の種類かは不明だが、数頭幼虫を出していた。
怪我もなく三人で下山し、無事に帰路に着いた。
自分は幼虫は出せなかったが、Sさんからメスの幼虫をいただいてしまった。これでブリードができる。Sさん、本当にありがとうございます。
家についてからもまだ余韻に浸っており、こんなことがあっていいのか不安になるほどだった。
これでとりあえずルリ属やマダラ、ツヤハダを除く本州のメイン種成虫を制覇できた。ようやく肩の荷が少し下りた。
オオクワ採集のノウハウを教えて頂いたSさん、初同行にも関わらず運転までしてくれた Nくん、今回は同行できなかったがいつも付き合ってくれるM、 N。ほかにも採集のヒントをくれた方々、本当に皆様のおかげでまぐれかもしれませんが一個体を手にすることができました。
今後も精進していきます!!
本日の結果
オオクワガタ成虫♂×1
幼虫×11
アカアシクワガタ成虫♂×1
不明幼虫(オオクワ以外)×4
オオクワ幼虫は全てSさん採集。