3日目はほぼ帰宅なのであとがきと共に。
2時間ほど寝て朝を迎え、帰り支度をして大原港へ向かう。
また西表島の新しい1日が始まる。
西表ともなると関東と比べてかなり西にあるので、当然の如く陽が登るのも遅い。
7時過ぎに起きた時、外が暗くて雨が降るのかと思った。
Sさんに港まで送っていただき、石垣島へと向かう。
写真を撮る気力すらなく、椅子に座るとほぼ同時に意識が飛んだ。
いつもはずっと喋っているMも、疲労からかほとんど無口だった。
船内の記憶はほぼなく、気づいたら石垣だった。
その後の空港へのバスも記憶がない(笑)
二日目にマンゴージュースを飲んで以降、疲労からか固形物をまともに食べられず、食欲が湧かなかったのだが石垣空港でようやく復活した。
海鮮丼とポテトをドカ食いした。
Mは関空へ、自分は羽田へ飛ぶためここで別れることになる。
ほぼ同じ出発時刻だったので保安検査を終え、出発を待つ。
明日から仕事だということを考えると信じられない気分になった。
よく、「辛いことがあるから楽しいことが更にに楽しくなるのだ」とか言われるがそんな事はない、辛いことなんかなくていいし楽しいことばかりしていたい(笑)
出発の時間が来た。
Mとも別れ、いよいよ本州へ帰還する。
さようなら、ありがとう。
来年はもうないのかもしれないと思うと、込み上げるものがあった。
秘境のジャングルでの冒険。
気心の知れた友人たちとのかけがえのない時間。
憧れの昆虫との邂逅。
決して金では買うことのできない経験。
来年以降もまたこの熱い経験が出来ることを心から願う。
2024年 西表島昆虫採集記 完
【あとがき】
2024年最後の遠征が終わった。
沖縄本島から始まり、対馬、西表と3箇所も行くことを許可してくれた妻にまずはこの場を借りて厚く御礼申し上げます。
あとは全ての島に同行してくれたM、ありがとう。
Sさんもお忙しい中ご同行いただき、本当にありがとうございました。
今回の遠征は非常に短期日程だったが、とても満足できる結果となった。
やはり目的のヤエヤママルバネを採集できたこと、自力で採集できたこと、そして天気が良かったことだ。
天気の良さはほんっとうに大事だと痛感した。
また、毎回の遠征でもそうだが怪我や遭難などが無く無事に帰宅できたことも大きい。
そして、海や食事など、虫以外も満喫できたことも良かった。
こんなん見てるだけで癒される。
反省点としては、雨天時や渡河時に服や指先が濡れ、スマホ画面が反応しなくなることが多かった。
GPSアプリを使っているためスマホが開かないと言うのは致命的である。
実際、知り合いの採集者は遠征時はパスワードロックをかけないなどの対策をされていた。Mは水中撮影用防水カバーをつけて使用していた。
これに関しては早急に対策を考えていかねばならない。
次に、ストレッチなどの準備運動について。
今回、普段から運動していなかったせいか、非常に初日がキツかった。
山に入る前に軽いストレッチを行うべきだと思った。
山の中で足がつった瞬間があったので、かなり危険だった。
増水した川を渡っている時にもしそんなことになったら命の危険もあるので本当に準備運動は必要だと思った。
というか、普段からもう少し運動をすべきだと感じた(笑)
水分やライトは今回は大丈夫だったが、電池やモバイルバッテリーはジップロックに入れて持ち運んでいると精神的に安心できるのでおすすめ。
次に、ハブなど危険生物について
やはり登山靴より長靴がいい。
昨年より個体数は少なかったが、それでも毎晩複数匹は確認した。
本ハブより危険性は低いのかもしれないが、医療設備が乏しい離島の山中で噛まれたら色々ヤバそうなので対策はしっかりと。
大嫌いなヤマビルは今年も侵入を許さなかった。
「ヒル下がりのジョニー」大活躍。
ヒルのほか、ダニもほとんど寄せ付けず害虫による被害を受けることはなかった。
今年はヤエマルの大歯、メス、そして複数匹確認というマルバネ2年目のへっぽこにしてはよくやったと言える結果に恵まれた。
また、島を訪れているマルバネ採集家たちの中でも圧倒的に短期日程(二泊三日)という厳しい条件下でよくやったとは思う。
しかし、同じ場所に入っている他の方々の中には複数大歯や二桁を達成されている方もおり、改めて実力の差を痛感した遠征でもあった。
採れると採れないの違いはなんなのだろう。
何が違うのだろう。
ベテランの方も「1.2年目は自分も6日で4匹とかだった」と仰っており、出撃回数にある程度比例するようなニュアンスだった。
まあ、上を見ていればキリがないので今回は昨年の自分たちを越えられたので良しとしたい。
来年以降も西表で採集が出来ることを願うのみである。
2024年 西表島遠征(10/25-27)
結果
ヤエヤママルバネクワガタ×7 (オス×6 メス×1)
ヤエヤマネブトクワガタ×1(オス×1)