ざきの昆虫採集記

社会人になりました。更新サボらないよう頑張ります。

2024 西表島昆虫採集記①

 

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この景色を見てスイッチが入る。

生憎の雨だがこの島に上陸できたことにまずは感謝したい。

島に着いた瞬間にスコールが降り、なんだか歓迎されてないかのような錯覚にとらわれた(泣)

 

レンタカーと宿にチェックインし、どの辺りを攻めるか作戦を立てる。

今日は雨予報のため、渡河の必要が極力少ないポイントを選ぶ。

 

スーパーで飲料と食糧を購入し、宿で腹ごしらえをしてから日が傾くのを待つ。

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ポイント途中。

厚い雲に覆われている。今にも雨が降り出しそう。

2日しか夜に山に入れるチャンスがないため、明日は晴れ予報に全てを賭けてライバルも多いが今年アツいと言われているポイントに入り、今日は昨年も入ったポイントへ。

 

さすがに陽が落ちてから知らない場所を散策するのは不安なため、明るいうちにそれなりの深さまで突き進む。

 

山に入って10分足らずで大粒の雨に見舞われる。

わかっていたことではあるが非常にしんどい。

雨の中の散策というのは本当に疲れる。

テンションは駄々下がりだが、とにかく行くしかない。

 

恐ろしいスピードで樹皮が湿っていく…。

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奥地へ突き進み、林道を外れ雰囲気のある木を確認していく。

しかしヤエマル成虫はおろか、痕跡もなく疲労だけが蓄積していく。

急斜面を上り下りし、ツルアダンの生い茂る道なき道をひたすら突き進む。

雨で湿った粘土質の地面はスパイク付き長靴でも何度も滑落しそうになり、肝を冷やした。

 

昨年もそうだったが、移動にひたすら時間を奪われ、木を見回る時間がほとんどない。このままでは良くないのでGPSアプリで比較的平坦な開けた場所を探し、そこでシイの木を見回る作戦に。

 

ウロのある大木を見回るがどこにもその姿はない。

この、「1匹確認するまでの時間」が長ければ長いほど辛く、自分たちの行動が本当に正解なのかを疑問に思う気持ちが強くなってくる。

もちろん体力も削られていくので辛いことこの上ない。

雨は容赦なく振り続け、服をつたって長靴の中もぐちょぐちょになりつつある。

渡河したのと変わらない(笑)

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奮闘するM。雨の具合をお分かりいただけるだろうか、まさに天然シャワーである。

 

 

 

 

山に入って2時間半ほど経った頃だろうか、ツルアダンを利用し斜面を登っていたとき、胴回りくらいのシイの横を通った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その瞬間は突然訪れた。

 

 

 

 

 

先に登っていたMが叫び声を上げる。

 

 

 

 

 

 

 

「うおおおおおお!おった!おった!しかも大歯やんけこれ!!!」

 

 

 

 

 

 

すぐさま自分も確認する。

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自分「おわぁぁぁぁぁぁあ!!!すげぇ!うおおおおおおぉっ!」

 

 

 

 

 

すげぇ、本当にいた。

文章で書くとうまく興奮が伝わらないが、雨の山中で二人で半狂乱になっていた(笑)

 

 

一年ぶりのヤエマル。

というか人生2匹目のヤエマル。

去年のちいかわサイズではなく大歯。

 

 

疲れが吹き飛んだ、嘘のように疲労が消えていく。

 

それほどこの虫には魅力がある。

 

 

50ミリ台後半くらいの大きさだが大歯であることは間違いない。

まさか我々にとってヤエマル2頭目が大歯とは。

そして身体の底から力が沸いてくる。こんなカッコいい虫がこの山には居るのだ。

 

 

 

 

気力を取り戻し、さらに散策を続ける。しかし雨足は強まり、道だった場所が川のようになりつつあることから、昨年のプチ遭難経験もあり脱出することを決意。

「無理をしない」という選択ができるようになったので俺たちも少しは大人になった(笑)

 

 

 

 

 

無事に1時間ほどかけて山から脱出し、どうするかをMと相談。

まだ宿に帰るには早かったので昨年個体を確認した別の林道へ行くことに。

しかし有名ポイントということもあり、かなりの数の同業者と思われる車が…。

まあ予想はできていたので突入。

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こちらは渡河必須ポイントのため、濁流に足を踏み入れ突き進む。

しかし、奥から戻ってきた別の採集者の方に聞くと、奥の川はかなり増水しているとのこと。

散々迷ったが今日は引き返すことにした。

早朝から移動を繰り返し、久々の昆虫採集ということもあり疲労を鑑みての判断だ。

あとは何よりも1匹確認しているのがでかい。

 

 

 

 

 

林道の入り口まで向かう途中、向こうから二人組が来たので挨拶をすると、どうやら採集者ではなさそう。

 

暫し話をする。彼らは環境省の職員の方で雨で増水した川の様子を見にきたのだという。

 

なんと数日前に遭難者が出た(無事に生還されたそうです)ので他の入山者への注意喚起も含めてわざわざ来られたらしい。

 

 

 

自分達が林道から出て車を停めた付近でグダグダしていると、先ほどの環境省の方も戻ってこられたのでさらに色々なお話を伺う。

 

 

来年から規制がかかるのはどうやら本当のようで、講習を受けることやガイドをつけること等諸条件を満たさない限りは入山がかなり規制されるようだ。

 

 

西表に通い始めて今年でまだ2年目なので学生時代にもっと通っておけば良かったと心から後悔した。

 

 

 

 

 

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宿に帰り、今日の唯一の成果のマルバネを拝み倒す。

 

 

 


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カッコ良すぎる。

そのままでもかっこいいが、自分たち二人でコイツをゲットできたことが何よりも嬉しい。

シャワーも浴びて寝ようかとしていたところ、興奮したせいか深夜テンションでハイになり、全く寝れない状況に。

 

 

 

街灯周りをしたら何か確認できるのでは?と思い、わざわざ宿のある大原から上原まで車で街灯を見ながら回ることに。(大バカ)

 

車中ではMと他愛もない話をしながらノロノロと車を走らせる。

西表はヤマネコをはじめたくさんの野生動物が路上にも出てくるため、制限速度は40km/hのところが多い。

 

 

 

 

結局、路上に出てきた無数のヘビを確認したのみでめぼしい成果は無かった。

さすがに疲れたので今度こそ本当に寝ることにした。

全てを終えて床についた時、時計の針はAM4:00を少し超えていた。

 

 

 

 

明日はSさんが14時過ぎの船で合流されるため、それまでしっかり休もう。

 

 

激動の1日目が終了した。

 

 

 

 

1日目結果

 

ヤエヤママルバネクワガタ オス×1